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防災業界で社会的な価値を出すためには?防災ガール「社会的インパクト評価」レポート

防災業界で社会的な価値を出すためには?防災ガール「社会的インパクト評価」レポート

 

世界中からみると、災害の多い国、日本。国や自治体によるハード面については様々な防災対策がなされています。しかし、市民も災害が起きれば災害・防災への関心は一次的には高まるものの、日常的に防災を意識する人はまだ少なく、まだまだ課題は山積みです。

 

そのような中、私たち防災ガールは、2013年3月11日の活動開始から2019年で6周年を迎えました。有機的解散と発展的伝承を発表した今だからこそ、この機会に防災ガールが日本・世界へ与えてきた価値について振り返りたいと思います。

 

6年間の防災ガールの活動を振り返ることで、防災業界で社会的なインパクトを出すための要素について、そのカケラをお伝えできればと思います。

 

平均年齢25歳。累計メンバー130人以上の若者が新しい防災の形を提案!

2013年、防災ガールの活動は3名のコアメンバーを中心にスタートしました。その後、法人化を機に、事業をさらに加速させるため、代表理事と、監事である弁護士の先生を有給化し、事業にコミットできるメンバーを増員しました。その後も有給社員を増加させつつも、本来の団体の目的を達成するために、2018年には事業の取捨選択を行い、代表と監事、総務・経理担当者のみを有給社員とする方針に転換しました。

 

また、防災ガールの活動はボランティアメンバーが中心となって担ってきました。半期に一度のメンバー募集・会員更新で、累計130名以上のメンバーが参加してきました。きちんと応募者と面談をして、防災や災害への想いを聞いたうえで加入してもらっています。

2013年以降のメンバー数の推移

 

メンバーの平均年齢は、10代・20代の若者が中心。2019年時点で一番若いメンバーは、17歳の高校生です。

日本の代表的な防災組織である消防団と比較すると、消防団の平均年齢が40.8歳で、20代の構成員割合は昭和40年代以降大きく低下し続けているのに対し、防災ガールは平均年齢25.2歳。防災業界では年齢層の高い方々の活躍が多い中で、平均年齢20代の団体が活動を続けていることは、業界にとっては新たな一歩だったのではないでしょうか。

 

メンバーの年齢・性別・職業も本当に様々。2019年の所属メンバーを見ても、高校生・大学生・公務員・フリーランス、会社員・専門家(大学教員・弁護士など)といったように多様なことが分かります。この多様性が、防災ガールの1つの強みです。

 

このように、メンバーひとりひとりがそれぞれ「防災」に対する想いを持って、様々な立場や年齢の視点から考え続けたことで、多くの事業を実施することができました。

防災ガールと消防団の平均年齢比較

 

消防団員の年齢構成比率の推移(出典:消防庁「消防団に関する数値データ」)

 

様々な活動拠点のメンバーが地域にこだわらない防災を可能に!

防災ガールメンバーは、都心と地方、そして海外と、国内外の様々な地域を拠点としながら、場所に制限されずに活動しています。メインは関東・関西ですが、香川県や長野県を拠点に活動するメンバーもいれば、インドネシアやベトナムから活動に参加する者もいます。

打ち合わせも、主にはオンライン上で行っているので、コミュニケーション不足とはなりません(もちろん大事な時には、対面でも会うようにしています)。

 

地域密着型の防災活動も当然重要ですが、防災ガールは、「従来の防災のイメージを変えること」、「防災をアップデートすること」を目指して活動を行っており、特定の地域にこだわる必要のない防災事業で、日本・世界の防災を変えようとやってきました。

防災ガールメンバーの主な活動拠点

 

防災をアップデートするための活動ってどんなもの?

防災ガールは活動開始から6年間で11の大きな事業のほか、多くの講演や共同企画など防災に関わる数多くのことに携わってきました。地震や津波といった自然災害だけでなく、日常の災いに対して、その時々・エリアで解決すべき課題に向き合い、常に防災ガール独自の斬新な手法を活かしてきました。

他にはない、新しい防災事業を提案できてきた理由のひとつに、他の防災団体や企業とは企画プロセスが異なるということがあります。

 

従来の防災活動や事業は、「目的を達成させるために必要なもの」から考える発想がメインだったと思います。防災ガールは、まず困っている層が今何に課題を持っているか、先行事例を知るだけでなく直接話を聞いたり、データを見たりして、その課題を乗り越えようとすることから始めていきました。ユーザーファーストであり続けることで、ユーザーに受け入れてもらいやすい事業を作ることができるようになったのです。

防災ガールが実施した事業と継続期間

 

※最近の事業のWEBサイトはこちら

 

様々な防災情報を継続的に発信したことが、高いアクセス数獲得へ!

WEBメディア「bosai-girl.com」は2013年8月から開始した、団体の活動や防災の知識や新しい視点を発信するWEBサイトです。

日常でも役立つ防災知識から、災害時の対応に関することまで、色々な種類の記事を出してきました。2018年9月までの累計記事数は、697本、総PV数は約300万PVとなっています。防災グッズや日常の備えといったテーマを中心に、SEOも意識しながら発信を続けてきました。

 

2018年6月に発生した大阪北部地震や同年9月の北海道地震の際には、防災グッズなどの検索が増加し、結果として平時の1,000倍以上のアクセス数を獲得しました。

WEBメディアのPV数と投稿記事数の推移

 

SNSの強みを活かした結果:Facebookでは1万いいね達成、Twitterの災害対応には高い信頼!

防災ガールは、WEBメディアだけでなく、SNSでも積極的に発信を続けてきました。

Facebookでは活動報告をメインに継続的な投稿を行ったことで、広告を出していないにもかかわらず、いいね数・フォロワー数は2018年度に1万人を突破!2019年現在も日々フォロワー数が増え続けています。

Facebookの年間投稿数(2018年のみ9月まで)

 

一方、Twitterでは、リアルタイム性を活用して災害時の緊急対応として災害状況や災害直後の対応などを発信してきました。信頼できる情報を発災直後から発信し続けた結果、多くのRT(リツイート)を獲得し、防災ガールに直接繋がりのないユーザーにまで情報を広げることができています。こうした災害対応は、国内外の様々な地域で活動するメンバーがいるからこそできたことです。

Twitterでの大阪北部地震の際の対応

 

「楽しく、分かりやすく、災害に強い」防災を6年間提案し続けたことで、メディアにも多数取り上げられました!

防災ガールの取り組みは、この6年間で数多くのメディアに取り上げられてきました。また、既存の防災対策ではない新しい視点(アイディア)と行動力が評価され、国内外の賞を多数受賞しています。他にも、内閣府の平成28年度版防災白書(p38)には、次世代避難訓練LUDUSOSの取り組みが紹介され、公的機関とのお仕事も増えました。

法人設立後から4年間(活動開始から6年間)継続的に活動してきたことが、受賞や社会で認められることにつながったと思います。

主な受賞歴

年別メディア掲載数

メディア別掲載数(※上記に加え、プレスリリース多数)

 

中小企業庁のデータによれば、4年後の企業生存率は約85%で、4年後には4分の1の企業が何らかの理由でなくなってしまっています。社会課題解決型のスタートアップに限れば、より生存率は低くなると思います。防災業界という変化の起きにくい業界の中で、新しい挑戦に挑み続けたことが、数多くのメディア掲載や受賞につながりました。

起業後の企業生存率の国際比較(出典:中小企業庁「中小企業白書」

 

まとめ:防災ガールができたこととこれからの防災業界

防災ガールは、当初立ち上げた頃から約3年は「オシャレでわかりやすい防災」を提案してきました。そして6年目となる現在は、防災・減災、災害対応に貢献する活動を行いながら、まさに年を経るごとに「防災業界の旗振り役」として、常に人々に防災を考えるよう促しています。若い世代などこれまで防災業界では焦点が当てられにくかった人々にも興味を持ってもらえるよう活動したことで、一定の成果を得ることができたのだと思います。

 

これまで「防災」と聞くと、若い世代や女性というよりは、中高年の男性が主導して進めてきたイメージを持っている人も少なくないはず。

しかし、南海トラフ地震や首都直下地震のリスクが高まる中で、災害は年齢・性別、住む場所や宗教や趣味嗜好などに関係なく全ての人が避けては通れない問題として関わるべきものであり、これまでの防災の在り方を見直す時期に来ていると私たちは考えています。

これからの防災は、従来の防災活動を行うだけでなく、IT技術やシェアという文化の発達した今の文化に合わせて、新しい世代を巻き込む活動に変わっていく必要がある。

 

さらに今後は、若い世代等だけでなく、LGBTや日本語のわからない方、障害のある方々といった多様な人たちにも目を向け、自然災害だけでない広い意味での「災害」に対応していくことが必要ではないでしょうか。何より、我々が大事にしてきた「防災をこれからのフェーズへ変えていく」と考えることが、これからの防災業界の担い手には必要だと考えています。

 

防災に限らず、他の社会課題に取り組む業界でも、社会的な価値を出すために必要なことは共通しているものも多いと思うので、ぜひ参考にしてみてください。

 

また、このレポートをきっかけに、読者の皆さんの所属する団体の社会的価値を改めて評価し、団体の現在、そして今後やるべきことを整理してもらえれば嬉しいです。

 

残り1年間、最後まで防災ガールは、社会的な価値を生み出せるよう、防災業界の旗振り役として走り続けます。応援のほど、よろしくお願いいたします。

 

 



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