三年間の活動を経て見つけた「新しい防災」へのチャレンジを。

新しく防災ガールの共同事務局長に就任することになりました、中西須瑞化です。

 

これまでは「人事・管理チーム担当事務局」として、団体内部の研修づくりや、メンバー同士のコミュニケーションをいかに促すかといった部分の仕組みづくり、新規メンバー募集に際しての準備や説明会運営等をゼロから作る基盤づくりの部分を担当してきました。

この3月11日からは、内部の仕組みづくりや運営の部分をチームメンバーでもあった新事務局メンバーのりえこちゃん(奥澤理恵子)とうがちゃん(宇賀谷仁充)に引き継いで、わたしは新しいプロジェクトである『WEEL(ウィール)』の担当事務局になります。この記事ではWEELという事業を始めるに至った経緯と、事業についての紹介をしていきたいと思います。

 

三年間の活動を通して気づいた「新しい防災」

そもそもわたしたち防災ガールは、これまでも常に「既存の概念を疑い、今必要な防災の形を問う」ということを通して、「防災の新しい価値提案」を行ってきた団体です。

 

設立当初から掲げていた「オシャレでわかりやすく」というコンセプトは、あくまでもそれを達成するためのひとつの方法にしか過ぎません。もっと正直に言うと、「ひとつの方法に過ぎないのではないか?」と、わたしたち自身もこの三年間を通して気づいてきたという感じでした。「防災をもっとオシャレでわかりやすく」は、設立当時の現状であった「防災」に対する偏見にも近いネガティブイメージ(つまらない、わかりにくい、ダサい、難しそうetc…)を、まずはフラットな状態に変えるために必要なものでした。

 

この三年間で、共感し賛同してくださる方もどんどん増えて、大学生や高校生といった若い人たちによる類似団体やサークルも少しずつでてくるようになりました。これは防災ガールが生まれた2013年当時では想像もつかなかったことです。

 

仮に、わたしたちがこのまま走り続けたとしても、きっとそこには何の問題もなかったと思います。むしろ団体としてはやっと追い風が吹いてきて、自分たちの考えてきたことが受け入れられてきたという実感が出始めた頃でもありました。
けれど同時に、わたしたちはじわじわと気づき始めてもいたのです。
いくら「防災をもっとオシャレでわかりやすく」しても、防災はきっと「あたりまえ」にはならない、と。

 

防災業界の中では目新しいことをやっていて、きっと社会的にも必要とされていて、やさしく温かな皆さまに応援もしていただいて、誰もこの団体の方向性に異を唱える人はいませんでした。(一見して勘違いされている方に誹謗中傷を受けることは何度もありましたが。笑)
しかし、わたしたちがやりたいことは「防災をオシャレでわかりやすく」することではなく、「防災をあたりまえの世の中に」することです。

 

「このままでいいのかな?」という代表田中の一言で、わたしたちは再び考えました。
三年間やり続けてきた中で見えてきたいろいろな体感をもとに、「もう一歩先」を見据えて、「防災」というものと向き合おうと決めたのです。

 

 

「WEEL」は今と次へ繋ぐためのもの

今回、「WEEL」という新規事業を行うに際して、滋賀県の長浜市という場所にご縁をいただくことになりました。滋賀県長浜市は琵琶湖を有することもあり、非常に多様な自然がある土地です。四季の変化もはっきりと感じられる地域であり、近江商人の行き交う街であったことから昔から文化や情報の行き交う場所であったともいわれています。また、行政のとりくみとして「長浜市博物館都市構想」なるものを打ち立て、歴史ある町並みを壊すのではなく大切に守っていこうとする風土もある場所になっています。

 

そんな街で、わたしたちは「暮らしの中にある防災を見つけ、試し、記録していく」新しい事業を実施します。これは防災の新しい概念を示すための実験的な試みです。
プロジェクト名の「WEEL」は、衣食住(Wear,Eat,Live)の頭文字に加え、古語英語の「歯車(=WEEL)」という単語を掛け合わせることで生まれました。

 

古来から災害の多い土地柄であった日本という国で、わたしたち日本人は元来この国に合った文化・暮らしをおこなってきました。

日本家屋は四季を凌ぐのに相応しい素材や構造で作られ、人々も時期に合わせて変化する環境や自分の身体と向き合いながら生活を続けていました。

そんな何気ない暮らしの中で、たとえば着物文化であったからこその横型の和箪笥は地震による倒壊確率を下げるための作りだったとは考えられないか。当たり前のように行っていた漬物作りは、保存食を作るという文化だったとは考えられないか――

 

そんな「当たり前の暮らし」の中にある「防災」を、防災ガールであるわれわれが見つけ出し、同時に現代の若者でもあるわれわれが実際に試してやり方を知り記録することで、日常にプラスαする防災ではない「新しい防災」の選択肢をひとつ増やすことができるのではないかと、そんな狙いを持っています。

この三年間で培ってきた「防災」に対する目線やWEBの活用方法、そして写真・動画・テキストでアーカイブを残すというスキルをまとめて反映させ、「当たり前の暮らし」をただ当たり前に行っていくのがWEELの真髄です。

 

昔に立ち返ろうというのではなく、あくまでも現代に生きていくための、生き抜くための知恵の実験室として。常に自然と共にある天災だからこそ、自然により近い環境に身を置いて、暮らし、知り、試す。古来から続いてきた日本人の「暮らす」力を、回り続ける歯車のように現代・そして未来へと引き継いでいけるようにする。

わたしたち防災ガールができることは、いつだって「ひとつの選択肢を示すこと」でしかありません。
けれど、だからこそ、この新しい防災の概念への「予感」をそのままにしておくことはしてはいけないのだと、団体として今この事業を始める決断をしました。

 

6月から代表の田中美咲、共同事務局長の筒木愛美、中西須瑞化の三人は滋賀県長浜市に暮らしながら、WEELの事業に取り組みます。
ただ「当たり前の暮らし」をしているだけの家ではありますが、それでも覗きに来たいという方、或いは「一緒に暮らしの中に潜んでいる防災を見つけてみたい」という方はいつでも遊びに来てください。特別なおもてなしは致しませんが、季節に合わせたお茶のひとつくらいならお出しできると思います。

 

わたしたちは常に問い続けます。
「防災」って、何なんでしょう。

さぁ、そろそろ皆で、新しい防災の話をしましょう。

 

 

<事業スケジュール>(※予定)
基本としては、二十四節気に合わせた暮らしの中から防災を探していきます。

4月〜5月 事前準備と引っ越し
6月 WEBページリリース、事業開始
7月以降 長浜市に暮らしながら「暮らしの中の防災」を発見・実験・記録
来年5月頃 アーカイブした暮らしの中の防災をまとめて書籍化